第43回日本薬剤師会学術大会

平成22年10月10・11日長野市で開催された「求められ・応えられる薬剤師へ」をメインテーマとした、日本薬剤師会学術大会へ参加する機会を得ましたので報告致します。

型どおりの開会式に続き、特別記念講演は「宇宙から見る生命のつながり」と題した宇宙飛行士の毛利衛氏の話でした。見事な映像を駆使した話は、興味深く別次元の感動を与えていただきました。

シャトルバスで会場を移動(時間がかかって大変)して、ランチョンセミナー「緩和医療の中での薬剤師の役割」山梨大学医学部付属病院薬剤部副薬剤部長 鈴木正彦先生の話を聞きました。

がん宣告された患者自身は、世の中から消え失せてしまうようなパニックに陥り、家族の中での自分が無に感じてしまう。QOLが低下し、抗がん剤投与が始まる。痛みを我慢して、眠れない、食欲がない状態が続く。
緩和ケアとは、「痛みを我慢しないで下さいね。」から始まる。痛みはいつから?どこが?どんなときに?どのように?どれくらい? 痛みの種類ごとに、細かく注意深く聞く。オピオイドに対する意識を、適切な情報でもって丁寧な説明を繰り返す。麻薬でも対応出来ない痛みにも注意を払い、医者には言えないけど、薬剤師には言える情報を大切に、吐き気の対応や便秘の対応等トータル的に付き合う。 薬剤師ならではのケアが期待されている現状を、分かりやすく話していただいて非常に参考になりました。

また会場を移動して、学校薬剤師の口頭発表の会場へ行きました。5題の発表があり、5番目に、名古屋市学校薬剤師会副会長の澤井先生が発表しました。実に素晴らしい発表でした。無理な質問にも無難に受け答えされて、普段からの仕事に対する真摯な姿勢が窺われました。神奈川県の良く分かっていない学薬の先生が、何度も質問に立ち、金銭の問題に固執されて困りました。学校薬剤師の仕事もボランティアではダメだ。学校へ行って授業に参画するには、それなりの予算を要求すべきだ。どんな方法で行っているか?等の質問でした。

私たちの考えは全く逆で、学校薬剤師は基本的にボランティアで、良い仕事に対して後から適正な評価が付いてくる。現に名古屋市学校保健会の中では、学校薬剤師の謝金は、医師、歯科医師と同額であるべきだとの意見が出始めている。その実現に向けて3カ年計画で頑張っている現状です。そのためには、それに見合う良い仕事を続けて行く事が大切であります。

平成24年度から始まる、中学校におけるくすりの授業へも、ゲストティーチャーとして、薬の専門分野をお手伝いしたい。担任の先生も、養護の先生も実際困ってみえる現状です。是非、学校薬剤師を活用して欲しいと、教育委員会初め、養護教諭会、校長会等にアピールしているところです。必ず実現したいと頑張っています。

夜には、小平市薬剤師会より声が掛かり、東京薬科大学 加藤哲太教授(実は小生の岐阜薬科大学2年後輩でした)も交えて懇親会が開かれました。学校薬剤師の仕事中心に大いに話が盛り上がり、あっという間の有意義で楽しい2時間でした。

二日目は、8時45分から藤井基之参議院議員の時局講演を拝聴しました。4年制と6年制薬学部を作ったのは、卒業後の活躍の場を広げる為のものであった、との説明に納得しました。

続いての特別講演は「生きているってすばらしい」鎌田實氏でした。もう氏の講演を聞くのは3度目になりますが、いつも感動をいただいております。その後の薬剤情報提供、コミュニケーションスキル等の口頭発表を聞いて、12時半頃終わりました。

全体的に内容が多岐にわたり、聞きたいものが重複して困りました。会場がかなり離れていて、シャトルバスでの移動も時間がかかり疲れました。ポスターセッションも数が多く、一通り見るだけでも大変でした。終わってみるとクタクタです。来年からはもう少し的を絞って疲れないように考えたいと思います。でもやはり、薬剤師が一堂に会して意見交換する場は貴重だと改めて感じました。実に有意義な二日間でした。

樋口光司